前置き
前回の記事までは本の切断を担う2つの商品を紹介してきましたが、今回はやっとPCへ取り込むためのスキャナを紹介します。
自炊に使える高速スキャナは、現状この富士通製の製品かEPSONのものかの2択(モデルの選択はいくつかありますが)なので、その参考の一端になれれば幸いです。
富士通 ScanSnap iX500
ちなみに今現在(2019年5月)は、後継機も出ていてます。
後継機の主な違いは、本記事の最後に紹介させていただきます。(持ってないのでレビューは出来ませんが)
私が購入したのは「iX500」という旧タイプの製品になります。一般的な家庭では、スキャンとプリントの複合機が主に使用されますが、自炊目的となるとこういったスキャン専用の商品で無いと駄目ですね。(企業向けのダカい複合機もってたりすると話は変わってきますが。まあ、それは例外なので除外しておきます。)
メリット
メリットと銘打ったものの、他にそれほど比較出来る商品がある訳ではないので、厳密には「良かった点」というニュアンスになりますかね。
ボタンひとつで大量スキャンなのでお手軽
どの製品でもそうなのですが、読み込みの設定を凝ると最初に設定を練りこまなければなりません。この製品も例外ではなく、白黒ページとカラーページの設定を気にしたり、紙の品質によって微調整したりするとキリがありません。
しかし、そこまで几帳面すぎる人でなければ、クイックメニューでの3種から選択するだけのモードもあるので、そういった点ではボタンひとつで大量スキャン出来る商品となります。
また、最初に設定を凝る私のようなタイプでも、一旦設定してしまえば、あとは設定プログラムを選んでスキャンを続けるだけなので、さほど問題はありません。
スキャン品質はほぼ問題無し
読み込み画質は4種類の設定から選べます。設定は以下の通りで、
私はスーパーファインを使っていますが、スマホやタブレットを使っての閲覧ではまったく品質に問題は無く、容量も漫画1冊あたり50~150MB前後と、一般的な電子書籍と同じぐらいの大きさに落ち着いています。
その他の品質については、使用感の項で少し触れていきます。
付属アプリの使いやすさは上々
お手軽さの項目でも触れましたが、アプリの設定としては凝らなければ、[画質/判別の自動・手動の選択/読み取り面の選択/向きの選択]程度で済みます。
あとは、ファイル形式[PDF or JPEG]や自動保存先選択等がいくつかあるくらいですかね。
読み取る物によっていくるかの設定を使い分ける(設定保存機能)もあるので、それもべんりですね。
スキャンスピードは感覚的には速いと思います
私は会社で企業向けの複合機を使用していますが、それと比べるとややスピードは落ちるものの一般家庭用としては十分に速いスピードです。
新型は更に速くなってるようなので、それは期待大ですね。
数値的には「25枚/min」だそうです。
デメリット
清掃はなんだかんだで面倒
それなりの枚数を読み込んでから、蓋をパコッと開けてみると紙粉が結構付着しています。
掃除の頻度は、紙粉の読み込み時の画質への影響がどれくらい気になるかで変化すると思われがちですが、経験的には本の糊(のり)がガラス面に付着してスキャン時に線となって現れるほうが先なので、必然的に定期的な清掃が必要になります。
また、糊は刷毛で拭いた程度では取れないのでアルコール洗浄をしないといけない点では掃除は少し面倒に感じます。
本の品質で糊の着きやすさも変わるので、状況によって変わるのも辛いところです。スキャンした本の品質確認は適宜行わなければなりません。
なんだかんだで待ち時間が発生する
スキャンスピードは速いと言えば速いのですが、裁断のほうが素早く終わるので待ち時間はほぼ発生すると考えて良いでしょう。
その場合、読み取り速度=自炊にかかる時間と考えると、漫画1冊100枚換算で4分+セッティングロスタイムで1分加算。
20冊で100分・1~2回の清掃で5分・スキャン品質確認で15分程度と考えると、20冊あたり2時間くらいかかる計算になります。(集中力が続く前提です。)
使用感
今回は、メリットデメリット欄でも使用感を交えながらのレビューになりましたが、深堀りもしていきます。
品質面
上記の通り、メリットデメリット欄で触れてきましたが、画質に関しては多少紙粉が発生しようがあまり影響はありません。
本の糊が読み取り面に付着すると、黒い線となって画像に現れるのでそのことに気を配れば大体満足いくようにはなると思います。
速度面(自炊にかかった期間)
スキャナを購入したのが2018年の3月頭です。そこから、計1200冊前後の本を自炊しました。内訳は、大体の冊数になります。
[漫画800冊・同人誌(薄い本+厚い本)250冊・参考書20冊・ゲーム攻略本30冊・雑誌100冊]
これが完了したのが、2018年10月末です。
仕事ももちろんしてますし、休みの間中ずっと自炊していた訳でもありませんし、この期間中に一度引っ越し作業も行っています。
その条件で8ヶ月ほどの期間を費やしました。参考になりますでしょうかね?
後継機「ScanSnap iX1500」の簡単な紹介
私がiX500を購入した2018年3月から1年ほどが経過していますが、その間に後継機が発売されています。
スペックの面からその違いに少しだけ触れてみます。(大きく違うところのみ)
価格
定価は同じ設定ですが、流石に通販上で見ると価格差が生まれてい・・・たはずでした。
2019年5月現在で、その価格差は1000円ほどとなっているようです。
iX500=\42,200 iX1500=\43,100
(定価は\51,840)
そう考えると、新型一択ですかね。(初期不良の報告が無ければですが)
スキャンスピード
iX500 :25枚/分
iX1500 :30枚/分
読み取り速度は、1.2倍のスピードとなっているようです。
つまり、20冊あたり120分と計算したiX500に対しての、iX1500のスピードは20冊あたり100分ということになります。
8ヶ月かかった私の場合は6ヶ月くらいで終わったかもしれませんね(笑)
長尺読み取り機能
iX1500はUSB接続時のみ(つまりWifi接続時は不可)長いものを読み取り出来ます。
iX500と無線時は863mmなのに対して、3000mmの読み込みが出来ます。
本体に液晶パネル
本体に液晶パネルが付いたことで、PCのアプリ上で行う設定が本体でも出来るようになっています。
まあ、個人的にはこれで特に便利にはなっていない気もしますが。
最後に
私が語れるのは富士通のScanSnapのみですが、EPSONのほうも評判が悪くないようなので、そちらも検討はしてみてください。
次はハード面最後の、スキャナ用清掃用品の紹介をしていきます。