前置き
いくつかの動機からITコンサル的な活動をすることになりそうなのですが、分野が分野過ぎて難しいので、本を読むことにします。
Kindleで読めそうな本を漁ってきて、せっかくなので記録として読書感想文を書くことにします。
第1回は「コンサル一年目が学ぶこと」という本です。
感想
4つの章に分かれての内容だったので、セクションを4つに区切って目次ごとに重要な点をまとめます。
話す技術
結論から話す
徹底的に結論から話すことを普段から心がける。それは日常のメモ書き程度のことから慣らしておくレベルで。
思いついたこと全部喋る癖を無くす。
PREP法
Point Reason Example Point(結論 => 理由付け => 具体例 => 結論で締める)という手法。
会議
会議の時にアジェンダ(論点)を上手く活用する。アジェンダは単なる議題ではない。
会議の運営は、欲しい結論から逆算して決めていくことで目的がブレにくくなる。
Talk Straight
端的に喋る、簡潔に喋る、率直に喋る。
駆け引きや言い訳を混ぜずに、言われたことにストレートに答える。駆け引きは交渉とかの時だけにしておく。
出来ないときは出来ないと言い、出来るが条件があるときはそれを伝える。
間違いは、上司・顧客であっても指摘する。
ファクト
ファクト(事実)は裏切らない。
感覚の問題を正しく有効的な数字にすることで、証拠として定量的に把握することが出来る。
特に立場が弱い場合は、感覚的な意見よりも事実である数字の方が効果的。
ロジック
ダイバーシティ(多様性)の中で、カルチャーやジェネレーションも含めた異なる人々が共通認識を持つには、ロジック(論理)と数字が必要。
グローバルやローカルの文化に合わせるのではなく、数字と論理を使って議論する。文化の差が生じる高次元のコミュニケーションをあえてせずに議論するローコンテクスト(低文脈)を実践する。
日本の社会では価値観等をひとつに統一しようと考えがちだが、それは基本的にはよろしくない。
感情より論理
感情も含んだ高度な議論をすることは効果的なものの、どちらが優先かと言うと論理です。
理解してもらえるように話す
論理の組み立てとして、相手は何も知らない前提で話す。全体の流れの理解しやすさと指示が通っているかが重要。
話している途中で、話が通じているかを確認しつつ補っていく技術も必要。だが、日本人は面と向かって分からないと言えない人が多いので注意。
- 無言は無理解
- 資料をめくらなかったりキョロキョロしている人は要注意
- 「だいたいわかりました」はまったくわかっていないことが多い
- 頷いていたり、次々に資料をめくるパターンは理解度高そう
フォーマットに合わせる
クライアントの思考パターンを学んで真似た資料を作ったり等。
社外用語・社内用語を明確にする。
期待値を把握する
難しいけど、期待値をちょっと超え続けることがビジネスの秘訣。
求められていないことに時間を使っても意味がないし評価されない。
期待値を満たせないものは安請け合いしないこと。時には期待値を下げるマネジメントも必要。
期待値が曖昧なら明確化する。ざっくりとか。
思考術
考え方を考える
どのように考えることで答えに至るまでの道筋が見えるのか、「アプローチ」「考え方」「段取り」を考える。
そのアプローチ・手順の合意を取ってから作業を進める。それを行うことによるメリットは以下の通り。
- 全体像が見え、安心感が生まれる
- 関係者で合意が得れるので、どんでん返しの確率が減る
- 予算や作業量の見積りが出来るようになる
ロジックツリー
ロジックツリー・構造化・問題解決手法のようなロジカルシンキングも重要。
- 一生使える
- 全体を俯瞰できる(重要度の割合が見えてくる)
- 何を捨てるかの判断が出来るようになる
- 意思決定のスピードが上がる
ロジックツリーで論点を整理したら、それぞれの論点に数値分析を加える。その論点に重要度を付与して、アクションに落とし込むのが手順。
これの訓練・練習として、目に入るものをロジックツリーに落とし込む特訓が効果的。ただ、ロジックツリーは自身で客観的に評価しづらいので、フィードバックが必要になる。適切な指導者がいれば心強いが、新米同士での訓練は非効率的。最悪スクールでも良いが。
雲雨傘の論理
- 事実:雲が出ている
- 解釈:曇りだから雨が降りそう
- アクション:雨が降りそうだから傘を持つ
という事実から連なるアクションまでの道筋の論理。この論理が混同・省略により筋が通らなくなる場合が多いので注意が必要。3つが正しく揃っていることで説得力が生まれる。
アクションは複数のアクションのリストとなぜそれを選んだのかを添えると吉。
ロジカルシンキングの基本として、これらを文章にまとめる時は見出しにすると理解を得られやすい。
仮説思考
予想できる範囲でストーリーラインを描いてからリサーチすることで調べるポイントを絞り込む。
ようは推理。リサーチは仮説に対する検証作業。リサーチの結果、仮説を修正する時もあるし、仮説を深堀りしていくパターンもある。
仮説 => 検証 => フィードバックのサイクルを拘束に回すことが本質への近道。
あらかじめ選択肢と条件をリスト化しておくことの習慣化が素早い決定にもつながる。
常に自分の意見を持つ
ビジネス能力の向上は情報量そのものではなく、自分の意見を持ったうえで情報を得る手順にキモがある。
Webサイトの見出し等から自分なりの仮説を考えてから開いて答えを知るというトレーニングがプロセスを鍛える練習になる。
本質を追求
情報そのものではなく、その本質を伝えることが重要。情報を統合して本質は何なのかを突き詰める必要がある。
デスクワーク技術
新人にはタメになることも多いが、資料作成に慣れた中堅以上なら殆どが当たり前の内容だったので、感想は短めです。
文書作成は議事録書きから
議事録は、発言そのものではなく決定事項を簡潔に書く。(証拠)
決定事項の他に、決まらなかった課題や宿題を書く。
厳密には以下のフォーマットになる。
- 日時
- 場所
- 参加者
- アジェンダ
- 決まったこと
- 決まらなかったこと
- 確認が必要なこと
- 次回までのToDo(誰がいつまでに)
Power Point作成
シンプルイズベスト。ワンスライド・ワンメッセージ。
この辺は自分の知っていることが多かった。
Excel, Power Pointはスピード勝負
コンサル業の納品物はPower Pointなので、これの操作速度が死活問題になるらしい。
この辺の小技紹介も特筆すべきことは無し。ショートカットの説明が中心だった。
最終成果物から逆算してプランニングする
話し方の項と同じで骨組みを作る話。特筆事項は無し。
読書法
目次をさらったりするような小技等。特筆事項は無し。
重点思考
余計な作業をやらない等。特筆事項は無し。
管理ツール・課題管理表
エンジニア的にはイシューボード系のツールが最適解なので割愛。ここではExcelベースでの課題表が紹介されていた。
ビジネスマインド
この項は、新社会人向けの意識高い論が多かったのでアラサーにはあんまり参考にならなかったです。
なんだか尻すぼみな感想文で申し訳ないです。
最後に
ポイントポイントはまとめましたが、本では事例やインタビューを交えて解説されているので、気になった方は読んでみると良いでしょう。(2023年1月現在はKindleのPrime Readingで無料ですし。)